黒坂岳央です。

信頼関係、というとどこか抽象的で捉えどころのないように感じる人もいるだろう。そのため、どうやって築いていいかわからず、不快感を覚える距離に入って嫌われてしまう人がいる。その一で、信頼関係を作るのが非常に上手だと感じるビジネスマンもいる。多くの場合、センスや才能といったこれまた捉えにくい感覚で雑に処理をする人もいるだろう。

しかし、個人的にこれは「技術」だと思っている。自分は「コミュニケーションの専門家」などではないのだが、これまでのビジネスで体得した個人的見解を取り上げていきたい。

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1. 適切な距離感

相手との信頼関係で最も大事なのは距離感である。すなわち、遠すぎず近す ぎない、これである。

かつて勤務先の上司でこれが非常にうまいと感じる人がいた。困った時、仕事の壁にぶつかっている時だけ「大丈夫?いけそう?」と声をかけて技術的なアドバイスをくれる。それでいて自分でなんとかなりそうな時は、「困ったらいつでもいってね」とサッと身を引き、鉄火場以外では一切、余計な介入をせず基本的に仕事はお任せしてくれる。後にも先にもこの上司より距離感がうまいと感じる人はいなかった。

その一方で、「交流も大事」とやたらと飲み会に誘ってきて、プライベートの行動にダメ出しをしてきたり、その逆にホウレンソウをまともに傾聴する気がなく、完全放置の人もいた。

やはり、相手との距離感がちょうどいいというのはとても大事であり、そこをわかっている人は信頼されるだろう。