JR横浜線の淵野辺駅周辺が「家賃崩壊エリア」になっているとして一部SNS上で話題となっている。2013年に同駅を最寄り駅とする青山学院大学の相模原キャンパスから人文・社会科学系学部が青山キャンパス(東京・渋谷区)に移転したことで学生数が減ったためだとされるが、東京のJR山手線の沿線や内部に通勤・通学可能なエリアで、同様に家賃が崩壊しているエリアはあるのか。専門家の見解を交え追ってみたい。
淵野辺駅周辺の賃貸物件をみてみると、駅から徒歩10分圏内、専有面積16平方メートル以上のワンルームマンションで家賃2万円台という物件もある。JR横浜線から長津田駅で東急田園都市線に乗り換えれば、渋谷駅まで40分台で行くことができ、渋谷駅周辺の企業・学校であれば通勤・通学圏内といえるだろう。
気になるのが、山手線の沿線や内部に通勤・通学可能なエリアで、淵野辺駅周辺のように安い家賃で住宅を借りられるエリアはあるのかという点だ。姫屋不動産コンサルティング代表の姫野秀喜氏はいう。
「まず、京王線、小田急線、東急線の沿線は基本的に家賃相場が高いため、『家賃に7~8万円以上払いたくない』という人は、これらの沿線を避けて検討するのが無難です。小田急線もかつては小田原方面までいくと比較的安い物件が見つかりやすかったですが、最近では町田駅周辺も人気エリアとなり、安いとはいえなくなりつつあります」
中央線・総武線沿線は西高東低
人気が高いことで知られる中央線沿線だが、お手頃な物件を見つけたいなら、西よりも東のほうを狙うべきだという。
「西のほうは新宿駅から遠ざかっても、八王子駅周辺は大学が多いこともあり比較的安いアパートが見つかりやすいものの、たとえば立川駅周辺は再開発が進んで人気が上昇したため値上がりしており、逆に新宿により近い三鷹駅周辺のほうが単身者向けアパートが多いので手頃な物件が見つかりやすいかもしれません。人気の西荻窪駅や荻窪駅も、それなりの設備のアパートを借りたい場合は、6万円くらいは覚悟しておいてほうがいいでしょう。
一方、東のほうは秋葉原駅あたりから総武線になり両国駅や錦糸町駅、亀戸駅あたりはまだ高いですが、新小岩駅や小岩駅あたりまで行くと安い物件があります。穴場は平井駅で、結構安い物件があります」
山手線沿線はどうか。
「ちゃんとした設備の物件の場合、最低でも家賃10万円以上は覚悟すべきです。強いてあげるなら、田端駅や西日暮里駅などは、もしかしたらタイミングや条件によっては築古で安いアパートが見つかるかもしれません」