気候変動が世界的に深刻化している今、CO2排出削減は企業が果たすべき社会的責任でもある。一方、「環境に優しい企業」を名乗るには、それを裏付ける正確なデータが必要不可欠だ。

インドネシアのJejakinは、企業がCO2排出削減にどれだけ貢献しているのかを可視化・リスト化するプラットフォームを運営。同社は、政府からも期待をかけられる環境スタートアップである。

Image Credits:Jejakin

今年5月には、PT ITM Bhinneka Power、Indogen Capital、SMDV、East Venturesなどから合計270万ドルの新規資金を調達したことを発表。この資金をプラットフォームの機能強化に活用するとした。

自社植林地の一つでモニタリングを行うJejakinのチームメンバーたち。Image Credits:Jejakin

同社は、 Arfan Arlanda氏、Sudono Salim氏(CGO)、Andreas Djingga氏(COO)、Haris Iskandar氏(Chief of Sustainability and Climate Change) ら4人によって2018年に設立された。2023年10月にはB Corporation認証も取得している。

Jejakinが主力製品とするプラットフォームは、「CarbonIQ」「CarbonAtlas」「CarbonSpace」の3種類。概要を順番に見ていきたい。

Scope1から3まで排出量を可視化する「CarbonIQ」

「CarbonIQ」は、企業が消費する電力や燃料などを管理し、それにともなうCO2排出量を算出・管理できるプラットフォーム。Scope1(燃料消費や製品製造による直接排出)、Scope2(電力などの消費による間接排出)、Scope3(サプライチェーンの上流・下流での排出)まで、分類別の排出を管理できる。

CarbonIQの使い勝手は、公式サイト上で疑似的に体験可能だ。1か月分の電力消費でCO2をどれだけ排出したかなどを追跡することで、削減可能な部分の検討にも役立つ。