幾何学おもちゃ「オロイド(英訳:Oloid)」は、シンプルでありながら不思議な形をしているオブジェクトです。

平らな地面でオロイドを転がすと、全ての面が地面に接するという特徴があります。

昔から数学者たちに愛されてきた物体であり、最近でも、アメリカ・ミネソタ州を拠点とする会社「マターコレクション」が、手のひらサイズのオロイドを発表しています。

ここでは、不思議物体「オロイド」の特徴について解説します。

目次

  • 尖っているのにスムーズに転がる物体「オロイド」

尖っているのにスムーズに転がる物体「オロイド」

幾何学物体「オロイド」
幾何学物体「オロイド」 / Credit:Matter Collection(Kickstarter)_The Mega Oloid: Geometric perfection into a colossal artwork(2022)

オロイドとは、ドイツの彫刻家または数学者だったパウル・シャッツ氏によって、1929年に発見された幾何学的な物体です。

通常の生活ではめったに見かけない不思議な形をしていますが、構造自体は非常にシンプルです。

オロイド構造は、同じ大きさの円盤2つで成り立っています。

オロイド構造。2つの円が直交している
オロイド構造。2つの円が直交している / Credit:Thinkingarena(Wikipedia)_Oloid

半径が等しい2つの円盤が直交しており、それぞれの円の中心がもう一方の円の外周と重なるよう設計されているのです。

あとは円盤のふちから円盤のふちへと無数の直線でつなぐように立体化すれば、3次元のオロイドが完成。

こうして作られた一風変わった立体であるオロイドにはいくつかの特徴が備わっています。

尖った形状だが、少しの力でスムーズに転がる
尖った形状だが、少しの力でスムーズに転がる / Credit:Matter Collection(Kickstarter)_The Mega Oloid: Geometric perfection into a colossal artwork(2022)