近代に入ってのカトリック教会で最大の改革運動は第2バチカン公会議だ。フランシスコ教皇が取り組もうとする改革は教会の近代化を提唱した第2バチカン公会議のやり直しではない。フランシスコ教皇は2019年6月、シノドスの道と呼ばれる教会改革のプロセスに号令をかけた。ただ、まもなく88歳を迎えるフランシスコ教皇に教会改革を最後まで貫徹できる体力があるかは不確かだ。

フランシスコ教皇は2021年7月、結腸の憩室狭窄の手術を受けた。そして最近は変形性膝関節症に悩まされている。膝の関節の軟骨の質が低下し、少しずつ擦り減り、歩行時に膝の痛みがある。最近は一般謁見でも車いすで対応してきた。

カトリック教会では改革を拒否する保守派聖職者と刷新を求める改革派の聖職者がいることは周知の事実だ。どちらが主導権を握るかは、その時代のローマ教皇の意向にかかっている。

フランシスコ教皇は就任以来、教会の刷新には積極的な発言を繰り返してきた。ただし、教皇就任11年が経過したが、聖職者の独身制の廃止、女性聖職者の導入などでは何も変わっていない。ハリク氏は「シノドスに教会の制度的改革を期待する者は失望するだろう」と指摘する一方、シノドスを通じて教会の精神的刷新に期待している(「人類は新しい精神的な方向性が必要」2024年10月16日参考)。

例えば、女性聖職者を要求する「ローマ・カトリック教会女性司祭の会」(RCWP)は17日、バチカンの許可なく、女性の神父および助祭叙階の儀式を行った。発起人によると、「この儀式は歴史的だ。教会における叙階職での男女平等を促進する目的だ」と主張している。カトリック教会は女性の叙階を認めておらず、このような象徴的な行為に積極的または消極的に関与した信者たちは、教会から破門され、教会共同体から排除される。

今月末まで続く世界シノドスでは、聖職者の独身制の再考、女性聖職者の導入の他、バチカン中央集権体制から現地司教主導の教会組織(非中央集権)への移行など、ホットなテーマが議題に挙げられている。