若くして昇進したビジネスリーダーなら、年上の部下を持つケースも珍しくない。年功序列や終身雇用が崩壊しつつある日本の企業では、ますます成果や実績を重視する実力主義による人事制度へ移行している。年上の部下や元上司だった部下を持った場合、接し方やマネジメントはどうすればいいのだろうか。

立場と責任という視点を常に意識

リーダーなら年上、年下を問わず部下を平等に扱うこと。常に意識すべきは年齢ではなく、企業や組織での立場と責任という視点だ。

管理職と部下では何より立場や責任の比重が違い、部下とは大きな差がある。上司と部下としての立場を双方がわきまえれば、適切な接し方は見えてくる。

年上の部下には、人生の先輩として敬う姿勢は大切で欠かせない。業務上の命令でも、言葉遣いは上から目線より、お願いする姿勢が望ましいだろう。

年上というプライドは尊重する

業務を適切に進めるには年上の部下が持つ知識や経験を尊重し、プライドを大切にすることが潤滑油になる。基本的に年上の部下には敬意を払い、相手を立てる。場合によっては敬語を使うといいだろう。

威圧的な態度でプライドを傷つけると反発を招き、業務命令に従わない恐れもある。これでは管理職として社内での信頼を失うことにもなりかねない。部下なのでへりくだる必要はないが、他の部下と同様に丁寧に接して話せば尊重している姿勢は伝わるだろう。

組織とはいえ、原点は人と人の関係に尽きる。そこでは相互理解が不可欠だ。組織を活性化させるには、年上の部下に管理職としての考えや意思、ビジョンなどを明確に示すことも大事になる。

ただ扱いにくいと感じる場合には、冷静に原因を探ってみることだ。ビジネスリーダーとしての経験の浅さに起因していないだろうか?それでも改善できない時は、少し距離を置いて視点を変えると見えてくることもある。同じ経験を経た上司や他の管理職にアドバイスを求めることも有益だろう。

年上の部下を持つことのメリットもある

年上の部下を持つことのメリットは、これまで培ってきた知識やキャリアを組織に活かし、若い世代に伝えてもらえることだ。経験が浅い若手にベテランが身に付けたノウハウを伝えることで、業務の効率化や向上も望めるだろう。

扱いにくいと決めつけるだけでは何も生まれない。部下ひとりひとりの特性を見極め、年上の部下だからこそできるような業務を見付け、任せることも大切だ。信頼され、任されて悪い気はしないもの。年上の部下も意欲が高まり、仕事の効率や生産性が上がれば一挙両得だろう。

年上の部下だからと避けるより、仕事上のメリットになる方法を考え、実現することで波及効果が生まれることを検討してみよう。

ビジネスパートナーとして敬い、長所を活かす

部下とはいえ年長者である以上、敬意を払いつつ、この部下にしかできないようなメリットを探し出すのもリーダーの仕事だ。それを見付けたら必要性を説明して依頼する。そこから相互に信頼感が生まれると、自然とマネジメントは上手くいく。

管理職自身に迷いや不安があれば部下に伝わり、信頼関係は築けない。ビジネスパートナーとして尊重し、長所を活かすことだ。

文・山下祐介(ジャーナリスト)
 

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