3/13「『テックラッシュ戦記』著者、元Amazonロビイストの講演傍聴記」(以下、「講演傍聴記」)で紹介した元Amazonロビイスト渡辺弘美氏のインタビュー記事が、5/6日経新聞に掲載された。
元アマゾン「ロビイストの草分け」に聞く 「社会にも利益」がカギ
ルールは変えられるものだという意識が低い日本企業
渡辺氏は「日本の政策決定や法律改正などの課題は」との問に対して、「日本の政策決定などはグローバルで俯瞰(ふかん)してみると、理不尽だとか、めちゃくちゃなことは起きないが、国としての方向性がいまいちよくわからないというように思われています」と答えた。
講演傍聴記でも渡辺氏は政策立案者に対して「国家像がない中での“空気感”(臨在感的把握 by 山本七平)による政策立案の懸念」を指摘していた。講演傍聴記最後の節「日本再興の鍵は政策ではなく伝統的日本企業の経営改革」では以下のように指摘した。
長らく政官と接してきた渡辺氏だが、民に対しても厳しい注文をつける。
「伝統的日本企業の経営者を念頭に」では、「研ぎ澄まされたミッション下で社員が同じベクトルを向き最大能力を発揮しているか」の他に「日本再興の鍵は政策ではなく伝統的日本企業の経営改革」、「『不変の価値の追求』『顧客起点』『経営陣の質』『社会的なれあいの排除』など」も掲げる。
その民に対して、渡辺氏は日経記事では、「企業にも『ルールは与えられ、守るべきもの』という意識が強い。変えられるものだという意識は低いと思います」とコメントした。この言葉で思い出すのは、勝者はルールを変えた者だとするIBM元会長の指摘だ。
IBMをソフトウェア企業に転身させたパルミサーノ元会長2012年8月24日付「松岡功の今週の明言:IBMパルミサーノ会長『勝者は嵐を生き延びた者ではなくルールを変えた者だ』」と題する記事は、IBMをハードウェアメーカーからソフトウェア・サービス企業へ転身させた同会長の業績を以下のように紹介する。
Palmisano氏といえば、IBMをハードウェアメーカーからソフトウェア・サービス企業へと大転換させた立て役者である。ハードウェアよりもソフトウェア・サービスのほうが、より大きな付加価値を生み出せると見た同氏は、CEO就任後すぐにコンサルティング会社を買収する一方で、ハードディスクやPCなどの事業を売却した。