調査結果から見える廃車イメージの変化の要因

これまで車業界においては「車は10年または10万kmになれば廃車」が定説でした。

 実際に、ひと昔前は、乗用車であれば10年経過するか、10万km走行すると、あちこちに不具合が出始めて、高額の修理費用が必要になったり、あるいは車検費用が高額になるなどの理由から、多くの人が車を処分するタイミングとなっていました。

 

 そのため、多くの新車・中古車販売店、買取店においては、この「10年・10万km」を合言葉に、次の車への乗り換えを促進してきた過去があります。そして、未だにこのイメージは車業界に根強く残っています。

 しかしながら、今回の調査結果では、多くの中古車ユーザーは、車の寿命を「約20年または約20万km」であると認識している事がわかりました。

 中古車ユーザーが廃車のイメージを10年または10万kmから、20年または20万kmに伸ばしてきた背景には以下ような原因が考えられます。

原因① メーカーの技術の進化

 新車大国である日本のメーカーの技術は日進月歩で進化しています。特に高度経済成長期からの50年の進化は目覚ましいものがあり、この20~30年間の間に、日本車はとても故障しにくいものになってきています。

 多くの車ユーザーにとって、車の乗り換えのタイミングは、車の故障するタイミングとなっていることから、故障の少なさは、車の寿命の長さに直結していると考えられます。

 技術の進化に伴って、車がなかなか故障しない事から、車の寿命(新車から廃車までの期間)についても、より長いものというイメージになったと考えられます。

原因② 経済状況の変化

 日本の車業界における、「車の寿命は10年、10万km」というイメージは、モータリーゼーションの最も進んだ、1980年代のバブル期に作られたと考えられます。

 

 やがてバブルが弾けて、その後30年間、経済が停滞する中で、「次々に新車に乗り換えたい」という需要は次第に少なくなってゆき、現在では「なるべく大事に長く乗る」という趣向の自動車ユーザーが増加している傾向にあります。

 こういった社会情勢の変化も、今回の廃車に関するイメージの変遷に大きな影響を与えている事が考えられます。

【会社概要】

会社名:株式会社Direct Stock Japan
所在地:大阪府高槻市柱本1-1-8
代表者:代表取締役 山本剛
設立:2018年12月17日
業務内容:中古車買取、輸出、メディア運営
公的資格:古物売買許可証番号 622032304053
日本自動車購入協会(JPUC)正式加盟店:約款21KH10053