ひどい釣りタイトルだと思いながらクリックしてしまった方、意外とまともなことを書いているので、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
一般に「世襲政治家」というと、親が(元)国会議員であり、その地盤や資金を引き継いで当選した議員のことを指し、特権の独占に対して批判的に使用されることが多い言葉である。
一方「煉獄杏寿郎」(以下、煉獄)とは、空前の大ヒットとなった映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」にて名を馳せたキャラクターであり、“炎柱”の称号を持ち、人喰い鬼との熾烈な戦いを繰り広げる鬼殺隊の最上級隊士だ。
両者は、一見すると共通点がないようだが、実際は似通ったところが多い。
煉獄の父・煉獄槇寿郎は元“炎柱”である。炎の呼吸を継承し、自らも柱となった煉獄は「世襲隊士」だ。もちろん、二世なら誰でも鬼殺隊の隊士や柱になれるわけではなく、事実、煉獄の弟・煉獄千寿郎は剣術の才能に恵まれなかった。
つまり、世襲する者は、生まれながらに選ばれた存在なのである。とすると、政治家もまた、政治を家業として世襲する者であり、その責務を全うすべきであるとも言える。
「フェムテック」の政策の根底にあるものなぜ、このようなことを書いているかというと、この記事を読んで思ったことがあったからである。
〈フェムテック考〉女性の課題は技術で解決? 不調を“経済的損失”で語られるモヤモヤ
全体としてはバランスの取れた良い記事であるし、一部の文章を切り抜いて否定するようなことはしたくないため、本稿では「実際のところはどうなのか」という観点で論じたいと思う。
まず、国会議員や関連省庁の官僚は、政府からフェムテック※1)の活用を勧めればもっと女性が働くようになるのでは、という浅はかな考えで政策を推進しているわけではない。
もちろん、経済政策の観点も外せないため、女性特有の健康課題を解決することによる経済的効果として、具体的な金額が試算されることもある。政策の優先順位を上げるためにも、「○兆円の経済効果」などとインパクトのある数字を見せる必要があるのも事実だ。
ただ、根底には、女性が健康課題を抱えながら生活をしているのに理解がない、制度としてサポートできていない、これはフェアではない、であれば障壁を取り除かなければならない、という考えがある。
2020年9月に、自民党国会議員の有志による「フェムテック振興議員連盟」(以下、フェムテック議連)が発足されたが、設立の目的として「フェムテックの振興を図ることにより、女性とそのパートナーの生活の質が向上し、より豊かな人生を送れるようになること」と明記してある。決して、もっと働け、というニュアンスではない。
私は民間人だが、フェムテック議連が設立されて以来、事務局として志を同じくする国会議員とともに、生理、妊活・不妊治療、更年期という三本柱で政策を立案し、政府に対して提言を行なってきた。
たとえば、2024年度の女性版骨太の方針(原案)には、フェムテック議連の第三次提言で重視した「女性活躍推進法の改正」「健康診断の充実等による女性の就業継続等の支援」なども入っている。
健診ひとつをとっても、「企業戦士=健康リスクが高まっていく男性」向けに設計されてきたわけで、女性の就業率が年々高まっている中で、制度だけがそのままでいいはずがなく、女性活躍、男女共同参画、働き方改革というのであれば、抜本的に見直す必要がある。
また、時限立法である女性活躍推進法についても、事業主が女性特有の健康課題に取り組むことなどを盛り込む想定で、改正に向けて進められている。
もちろん、これらは官僚のがんばりあってのことだが、あるべき政策を推進する国会議員たちの姿は、少なくとも私の目には、世のため、人のために身を粉にして取り組んでいるように映っている。