兵庫県養父市。国家戦略特区になったのが2014年。つまりちょうど10年です。私は昨年、養父市に行ったのですが、山間の町でした。特区指定10年が経って目立った変化があったのか、情報は拝見しましたが研究者ベースでは一定成果を認識しているようですが、目立った形ではまだ具現化できていないように感じます。人口減は止まらず、10年で10-15%減のペースが今後も予想されています。では特区として今後何が期待できるのかここはまだわかりにくいと思います。

カナダの地方と比べると農業が企業化されているか小規模自営農家のままかの違いは大きいのだと思います。企業化されていると業務がシステマティックに流れるし、自営に比べてムラが少なくなります。また収入増が期待でき、町に落ちるお金が生まれます。カナダの地方の町の人口は少ないけれどいわゆる成功者が散見できるのもまた特徴なのです。日本で自営農家の場合、JAにすべてを頼らねばなりませんが、企業化することで直接的な取引を含めた農業ビジネスの構造改革ができるのではないでしょうか?本来であればこれを養父市はもっと推し進めるべきかと思います。「小作農が土地を手放さないだろう」という点は農地をリースにすればどうでしょうか?20年とか50年といった長期リースにより企業側も地主側もメリットある形にすれば機能すると思います。

観光地化も優れた地方創生のアイディアだと思いますが、何もナッシングの田舎でどうしろ、と問われれば面白いことを作り出せばいいじゃないか、と思うのです。先述の高校生に「海がある、魚がおいしい、ならば民宿でBBQをやらせればどうだろう?」と提案しました。典型的な1泊2食付きの民宿ではなく、自分で釣り船で釣りに行き、釣った魚をBBQで自分たちで焼いて食べる、あるいは肉を焼いてもいい、つまり楽しいことはクリエイティブにすればよいだけのこと、と申し上げました。別にその町出身の歴史上の人物がいなくても、観光地がなくても面白おかしく過ごせる仕組みを作ればよいだけの話です。そうすれば民宿経営も楽になるでしょう。