アメリカで話題のいわゆる“いわくつき物件”としては、ここ数年で一、二を争う知名度だったかもしれない。2016年、ある民家が取り壊された、と評判になった。

■ドキュメンタリー番組で検証された“デーモンハウス”

 インディアナ州にあるその家は一見ごく普通の平屋だが、悪魔の仕業としか思えない不可思議なことが多々起きる“デーモンハウス”、“ヘルハウス”として有名であった。

「何かがこの家に取り憑いていて、いろいろなことをしでかしている。説明するのは難しいが人間以外の非常に高い知性と強い力を持っているものの仕業で……」と語るのはアメリカで人気の心霊番組『ゴースト・アドベンチャーズ』のプロデューサーでありゴーストハンターのザック・バカンス氏だ。氏は2014年に3万5000ドル(約400万円)でこの家を購入し心霊ドキュメンタリーの撮影を開始、2015年に撮影を終えた。

 この番組はアメリカ中のゴーストが出没すると噂されている場所におもむき調査し、その後スタジオで心霊テクノロジー専門家を招いて科学的に検証するという内容だ。そしてこの家については撮影終了後に取り壊されることとなった。

 そもそもバカンス氏が家を購入するほど興味を持ったきっかけは、住人だったラトーヤ・アモンズさんと彼女の子どもたち3人が、悪魔から嫌がらせを受けているという報告が入ったからだ。得体の知れない巨大な黒いハエのような虫が無数に飛び回ったり、何かが階段をよじ登るような音を聞いたり、ドアが勝手に開いてキーキーと音を立てたりしているのだという。

 また目の前に黒い悪魔が現れ、見えない何かの力で子どもたちが持ち上げられて放り投げられたり、その他にもフードをかぶった赤い目の女の幽霊の出現や、気を失った子どもがベッドの上を浮遊していたり(本人は覚えていないとのこと)…。

 常識ではあり得ないようなことばかりだが、家で頻繁に起こる妙な出来事に対してアモンズさんは地元警察と児童保護局に調査を依頼した。一家のこれらの話はたちまち噂になり、悪魔を一目見ようと見物人が訪れるまでになったという。

 その後白っぽい幽霊のようなものが窓に見えるのが撮影されたり、警察が家を訪問中にも妙な音が聞こえたりと、当初は彼女の話を全く信じなかった現地の警察官や司祭、ソーシャルワーカー、医療局の人々の中に“何か説明できないもの”が家の中にいる、と確信する人が出始め、教会による悪魔払いの儀式が執り行われる事態にまでに発展したのである。

事故物件も真っ青の「デーモンハウス」恐怖に脅える住人の証言とは?=米
(画像=イメージ画像 Created with DALL·E,『TOCANA』より 引用)