■「分かりません」と答えてたネット民多数
眼鏡やコンタクトレンズを作る場合、まずは視力を測定する。その際に「実際の視力より良い結果になったら、度数が合わないのでは…」といった不安を感じている人が、一定数存在するのではないだろうか。
実際、投稿から数日で2万件以上ものリポストを記録した同ポストには、「これくらいなら『分かりません』って答えちゃうな」「ハッキリ見えてないのにマグレ当たりが続くと怖くない?」「なるほど。ぼんやり見えているだけでも、答えて良いのか」など、驚きの声が多数寄せられていたのだった。
なお、ポスト本文は「本当にあてずっぽうで答える方がたまにいますが、検査員は分かりますのでご安心を」という1文で締められており、検眼のプロならではの矜持が感じられた。
「ぼんやり見えても回答OK」な視力検査だが、ポスト投稿主・坂田さんに話を聞いたところ、じつは「絶対してはいけない」NG行為も存在するようで…。
■視力検査、そんな定義があったのか…
今回のポスト投稿の経緯について、坂田さんは「普段から検眼をするにあたって『あそこの眼科で「なんとなくで良い」と言われた。検査が適当だ』といったお声をよく聞いています。しかし誤解されている方が多いのですが、実際には視力検査では『なんとなくこっちかな』と答えるのが、正しい受け方です。我われ検眼をする側の人間が検査の受け方をまだまだ周知できていない現状があるのですが、少しでも正確な検眼をどこの施設でも受けられるよう、投稿させて頂きました」と、説明している。
一般的に視力検査で使用されている「C」によく似たマークは「ランドルト環」というもの。
こちらを使用した検査について、坂田さんは「ランドルト環の切れ目を答える『最小分離閾』を検査し、その検査手法は『視標がおぼろげに見えても答えさせ、その段の1/2以上の視標が見えた個所がその眼の視力である』と定義されています」と説明する。
つまり「ハッキリ見えた場合のみ答える」としてしまうと検査の前提条件が覆り、「ブレが全くない状態で答える人」と「ある程度見えたら答える人」で、数値に変化が生じてしまうのだ。
もちろん「マグレ当たり」が続く可能性もあるのだが、坂田さんは「視力検査は正解か不正解かの2択であり、同じ視力値の指標を何度か見せますが『なんとなく』の場合、半数以上正解する確率は低いので、ぼんやり見える程度でも、分かれば答えてもらうほうが良いのです」と補足している。