有名なタイムスリップ事例:モーバリー=ジョルダン事件

 タイムスリップの物語は、19世紀にマーク・トウェインの小説『アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー』などで登場し始めた。現代では、インターネットやソーシャルメディアに、タイムスリップを実際に体験したと信じる人々の声が溢れている。

 中でも最も有名な事例の一つが、20世紀初頭の「モーバリー=ジョルダン事件」である。 シャーロット・アン・モーバリー(1846-1937)とエレノア・ジョルダン(1863-1924)は、オックスフォード大学セント・ヒューズ・カレッジの英文学の学者だった。彼女たちは、フランスのヴェルサイユ宮殿を訪れた際にタイムスリップを体験したと主張している。

 1911年に出版されたベストセラー『ある冒険』の中で、2人はプチ・トリアノン宮殿の庭園で迷子になった時、突然マリー・アントワネットの庭園パーティーにタイムスリップしたと述べている。彼女たちの証言によると、周りの景色が不自然に見え始め、古風なドレスを着た女性がスケッチをしているのが見えたという。

 後に2人で話し合った結果、1792年、フランス君主制が廃止される直前にタイムスリップしたのではないかと考えるようになった。

 この本はセンセーションを巻き起こし、2人はその後も他の超常現象を体験したと主張している。しかし、彼女たちが実際に何を見たのかについては、様々な説が存在する。

科学では説明できない“タイムスリップ”体験「死を目前にした祖父との不思議な再会」
(画像=UnsplashのTom PREJEANTによる画像,『TOCANA』より 引用)