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まずは歩いてみたい迷路のような路地
メディナの基点はジャマ・エル・フナ広場
まずは歩いてみたい迷路のような路地
マラケシュの見どころのほとんどは、城壁内のメディナに集中しています。ミュージアムと呼ばれる施設も数多く、建物自体がすでに美術品のように煌めきを秘めていたりします。とはいえ個人的には、マラケシュの最大の魅力は、生活の匂いがぷんぷんする活気にあると思いました。
ですので、もし時間が許すようなら、目的地を定めず町中をぶらぶら歩く時間もぜひ取ってみてください。赤い土の色そのままに町全体を染める家々、彫刻の施されたドアや格子のはまった窓など、一般住居にも目を引くか所は多々あります。商店は商店で、壁や軒下に色とりどりの布や革の製品を吊るしたり、モザイクのようにぴっちりと小物や食品を並べたり。そこにもここにも独特の美的センスを感じるはずです。
実際、マラケシュは、多くのアーティストや著名人にインスピレーションを与えてきたことでも知られています。デザイナーのイヴ・サンローラン、画家のマティスやマジョレルなど、マラケシュの光と色に魅入られる人は後を絶ちません。
町歩きで気になる治安ですが、個人的には、意外なほど良いように感じました。もちろん、スリなど皆無ではないでしょうが、私の周りでは滞在中にそういった話は聞きませんでした。お店なども押し売りまがいの勧誘はなく、声を掛けられてもいまは不要と笑顔で返せば、それ以上しつこく言われることはありませんでした。
メディナの基点はジャマ・エル・フナ広場
迷路のように路地が入り組むマラケシュのメディナで、一番の目印となるのは、ジャマ・エル・フナ広場です。標識自体あまり見かけないメディナでも、たまに立っている標識には、ほとんどすべて「Jamaa el Fnaa(ジャマ・エル・フナ)」という文字と矢印が書いてあります。また、道を探しているようなそぶりをすれば、通りがかりの土地の人誰もが「ジャマ・エル・フナはあっちだよ!」とうるさいくらい親切に声をかけてくれます。言い換えれば、たとえ迷子になったとしてもジャマ・エル・フナ広場には必ずたどり着けるわけです。ですので最低、ご自分のリヤドとジャマ・エル・フナ広場の位置関係だけしっかり頭に入れて出かければ、迷子にはなりません。
なおジャマ・エル・フナ広場は、特に夕刻からの露店屋台のにぎやかさが有名で、飲食物の屋台のほか、大道芸人の曲芸なども見られる場所です。2009年にこの広場の文化的空間が、ユネスコの無形文化遺産に登録されました。