フランスが攻勢を強め、オランダがあわや先制

後半、フランスはさらに攻める。51分にデンベレがミドルシュートもディフェンダーがブロック。52分には、カンテがドリブルで相手をいなしてロングシュートも枠から外れる。

60分には、テュラムがゴール正面でボールを受けると右足で低い弾道のシュートもゴール左に外れる。63分には、右サイドからデンベレのクロスにオーレリアン・チュアメニが頭で合わせるもクロスバーの上に外れる。

65分、フランスに大きなチャンス。グリースマンが出したボールはゴール前の細かいパスワークを経て戻ってきたところにシュート。しかしオランダはCKに逃れる。68分にはデンベレが切り返しから左足でシュート。これもクロスバーの上に外れる。

得点が入りそうな雰囲気が漂うなか、逆にオランダに先制点かと思われた。69分、左からの攻撃でFWメンフィス・デパイ(アトレティコ・マドリード)がゴール至近距離でボールを受けると振り向きざまにシュートし、GKが止めて跳ね返ったセカンドボールをシモンズがシュート。

しかし、VARでGKの眼前にいたDFデンゼル・ダンフリース(インテル)がオフサイドとなりノーゴール。結局、シモンズはこれが最後のプレーとなり失意のまま交代となった。79分にも、オランダは右CKに主将フィルジル・ファン・ダイク(リバプール)が頭で合わせるもゴールならず。

試合終盤になるとフランスのムバッペがベンチから立ち上がり、戦況を心配そうに見つめるシーンもみられた。91分にはペナルティボックスでボールを受けたカンテがシュートも、オランダの複数選手が体を寄せてブロックしCKに。試合はそのままスコアレスドローに終わった。

マルクス・テュラム 写真:Getty Images

攻撃回数とシュートはフランスが倍以上

試合のデータは、ボールポゼッションがオランダの42%に対してフランスが58%。攻撃回数は、オランダの26回に対してフランスが57回。シュートは、オランダの7本に対してフランスが16本と、フランスが優勢に進めたが得点はならなかった。

理由としては、絶対的なエースであるムバッペが出場しなかったこともある。しかし両チームとも初戦に勝利しており、この試合で引き分けに終わっても十分に決勝トーナメント進出に向けて前進であり、大きなリスクを冒してまで無理な攻撃をすることはなかったことが挙げられる。

守勢にまわりがちだったオランダとしては勝点1を積み上げたことは大きな成果だ。フランスとしては勝ちきれなかったことが悔やまれるが、悲観的な状況ではないだろう。


エンゴロ・カンテ 写真:Getty Images