日本の場合は確かにインフレ率は他国に比べマイルドですが、可処分所得が低い方にとっては値上げ率ではなく、値上げ幅が重要なポイントであり、%でみるのと絶対額は印象が全く変わってくると考えています。年収300-400万円層では値上げに対する耐性がなく、生活に全く余力がない事態が生じたとみています。

コロナ明けで皆が旅行だ、飲食だ、とはしゃいでいる半面、取り残された感が鮮明に出るわけです。

これが現政権に対する不満となり、2024年の選挙イヤーにおいて多くの国で国民が「NO!」を突き付けたのではないかと考えるのです。言い換えれば現政権を揺るがしているのは所得的に比較的ぎりぎりの層の大反乱ではないかと推測しています。

石破首相 首相官邸HPより

事実、富裕層とまではいかなくてもある程度の預貯金がある方は昨今の株高でメリットを得ている人は多いでしょう。これは言うまでもなく日本も所得による明白な分断が生じてきているといえます。

では日本の場合、どうなるのか、あまり無責任な予想を公言するのは憚れますが、このシナリオからすると自民党の裏金問題は理由付けであり、本質的な部分は所得が十分ではない層の生活困窮から現与党に対する不満であり、その場合は立憲に分がでてきます。自民党が総裁選で石破氏という中道からやや左寄りの方を選んだのは単に社会がそういう方向にあることを示しているのではないでしょうか?

もちろん、保守の方の声が届かないわけじゃないのです。今はオセロゲームであり今を否定し、新しいものに期待する流れがより強いのだということです。私がずいぶん前に自民と立憲が連立を組む可能性が絶対ないとは言えないかも、とつぶやいた時、こいつはアホウか無知かと思われたでしょう。2-3週間前に自公で過半数割れもありうるとつぶやいた時、評論家も専門家もそんなことはまだ一言も述べていなかったはずです。今、それが当たり前のように囁かれているのです。