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前編の論考は、接種1~2回目のデータの分析でした。後編では接種3回目以降のデータについて分析してみます。

まず、札幌市のデータより接種人数の推移のグラフを作成してみました。このグラフより、分析する各期間を決めました。

2022年1月~4月(接種3回目)に接種を受けた後に死亡した全年齢の人のデータよりグラフを作成しました。なお、死亡者数には季節的変動(冬は死亡者が増加)がありますので、過去のデータを用いて補正してあります。

接種後0日~30日では、接種後31日~120日と比べて、死亡者が若干少ない傾向がありました。

次に、2022年7月~10月(接種4回目)に接種を受けた後に死亡した全年齢の人のデータよりグラフを作成しました。季節的変動は補正してあります。

接種後0日~30日では、接種後31日~120日と比べて、死亡者が明らかに少ないことが認められました。

次に、2022年11月~2023年2月(接種5回目)に接種を受けた後に死亡した全年齢の人のデータより作成したグラフです。季節的変動は補正してあります。

接種後0日~30日では、接種後31日~120日と比べて、死亡者が少ないことが認められました。

次に、2023年5月~8月(接種6回目)に接種を受けた後に死亡した全年齢の人のデータより作成したグラフです。 季節的変動は補正してあります。

接種後0日~30日では、接種後31日~120日と比べて、死亡者が少ないことが認められました。

【中間まとめ】

接種3回目、4回目、5回目、6回目では、接種後0日~30日の期間では、接種後31日~120日の期間と比べて、死亡者の減少が認められた。

接種後0日~30日の期間で死亡者が減少した原因は、接種3回目以降では、全身状態が悪い高齢者へのコロナワクチン接種は回避されるようになったためと推測されます。

全身状態が悪い、すなわち30日以内に死亡する蓋然性が高い高齢者には接種しなかったため、接種後0日~30日の期間では、死亡者が減少したという解釈です。