黒坂岳央です。

最近、中高年世代の人から「人間関係で関わるなら年下世代がいい」という意見をよく見る。この意見自体は正しい。若い世代は世の中のトレンドに強く、テクノロジーやビジネス、イノベーション分野にも明るく何より前向きでパワーをもらえる。自分も子供や夢を追う20代、30代から多くのことを学ばせてもらうことが多い。明らかにメリットがあるのだ。

しかし、自分側にメリットがあるからと、下心満載で年下世代に近づいても鬱陶しいだけである。加えて「そんな姿勢では嫌われてしまうのでは?」という傲慢な態度でアプローチする中高年も少なくない。

彼らと付き合う時にわきまえるべき絶対マナーというかルールについて、持論を述べたい。尚、以下はすべて傾向や一般論の話であり、個人差についての話ではない点に留意いただきたい。

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自分語りをしない

中高年は人生経験が豊富であるため、若者世代の考えや生き方が「若さゆえの青さ」に見えてしまうことがある。そのため、「そんなんじゃだめだ。自分が若い頃は…」とすぐ自分の話にすり替え、相手が嫌な顔をしていることに気づかず自分語りをしてしまいがちだ。

しかし、個別ではなく最大公約数的にいえば若い世代が賢く、生存戦略に優れていることは論理的に導くことができる。理由はシンプル、我々中高年の持つ過去の豊富な人生経験はむしろ、これからの新しい時代の足かせにしかならないことも多いためだ。もちろん、すべてがネガティブとは言わないが、昭和や平成で有効だった生存戦略は、むしろミスリードする先入観になり得る。そのため、リスキリングで真っ先にやるべきは、間違った古い価値観のアンラーニングである。

一方、若い世代は生まれた時から先端テクノロジーに当たり前に触れ、令和の時代にマッチした人生戦略を考える。当然、個人差は大きいし、強さが逆転する例はあるが、あくまで世代間で水平比較をしたら古い世代に勝ち目はないといえる。人生の先輩としてのアドバイスなど求められていないのだ。