アンケートの結果、少年少女が求める友情には、大きな差があると分かりました。
少年は友達に対して「楽しさ(昼休みに一緒にゲームするなど)」や「関わり合い(趣味や関心を共有する関係)」を求める傾向がありました。
対して少女は、「親密さ(動揺したときに慰めてくれるなど)」や「サポート(良いアドバイスをくれるなど)」を求める傾向にあったのです。
しかも、これら男女の違いは小学生の時よりも、中学生になってからの方が顕著になりました。
つまり思春期の初めごろから、求める友情の質が大きく変化し始めるのです。
ルドルフ氏は、この結果について次のようにまとめています。
「幼少期後半から青年期前半の重要な移行時期において、女の子は感情的な欲求を満たす心理的要素に価値を見いだすのに対し、男の子は興味の共有や一緒に楽しむことなど、より明確で娯楽的な要素を重視し始めます」
では大人たちは、これら少年少女の価値観の違いを十分に際立たせてあげると良いのでしょうか?
実は、そうとも言えません。
大人たちが思春期の少年少女をサポートするのに大切なこととは?
ルドルフ氏は、「友情に関する価値観をより柔軟に発展させることが大切」だと指摘します。
なぜなら、これらの友情には少なからずメリットとデメリットがあるからです。
例えば、少女が友人に親密さを強く求めるなら、共感性と感情における社会的能力が向上し、感情的な苦痛から身を守れるでしょう。
しかし、親密さを重視するあまり互いに過度に干渉し合い、かえって感情的な苦痛を増大させる恐れもあります。
同様に少年も、友人との楽しみや喜びを強く求めることで、社会性が増し、よりポジティブになれます。
しかし、親密さなどを犠牲にして一時的な楽しみばかりを求めてしまうなら、少年はストレス要因に立ち向かうのではなく、それを無視して娯楽に逃げるようになってしまうでしょう。
確かに男女で異なる友情を見分けることは大切ですが、極端になると不都合が生じてくる可能性があります。