そして失敗上手は自己肯定感が非常に強い。

経営者を長くやって、事前に想定したとおりに仕事が進まなくて自分を責めてしまう人を自分は一人も知らない。彼らは失敗と書いて経験を読む。初めてやることは自分の実力を超える難しいものだったり、経験不足から事前に想定しきれないことも数多くある。実際やってみると想定外のトラブルで失敗することはいくらでもある。

彼らが違うのはここからで、失敗を深く掘り下げて分析を続け、学習素材に変えてしまうのだ。今でこそ大きな企業経営をする社長はたいてい、「昔は商売がうまくいかなくて何度も会社を潰した。当時は大変なこともあったが、あの経験が今の自分を作っている」といったエピソードを持っている。

「頑張ったけどうまくいかなかった」このように解像度が粗く片付けると、そこから何も学べないし労力や時間、コストを投下した分が無駄になってしまう。加えて自分を責めるだけで何もいいことはない。

何度失敗しても成功まで諦めなければ、「失敗は成功の必要経費」と捉えることができる。彼らは骨の髄までその感覚が染み渡っているため、失敗してもまったく落ち込むことはないのだ。

特徴3. 努力家

失敗上手は例外なく、努力家揃いである。

「辛いことから我慢せずに逃げてもいい。頑張ることはバカらしい」昨今、こうした意見が指示されている様子をよく見る。アクセスをたくさん稼いでいるのは多くの共感を呼んでいるからだろう。

しかし、不思議なことにそうした意見を出している人ほど、一般人よりはるかに頑張っているし、投稿を継続したり、アンチコメントをやり過ごしたりと「圧倒的に努力し、辛いことに立ち向かって今の立場を手に入れている」という矛盾を抱えている。少なくとも、影響力を得るプロセスは誰がどうやっても非常に大変で避けられないストレスも多い。

そして彼らの言う「楽に生きろ」という提案にも違和感がある。冷静に考えれば人類は世界中どこを見渡しても皆、今日明日を生き残ることに必死である。「嫌なことから逃げ、頑張らなくてもいい立場」について一生涯、考えることすらない人は圧倒的大多数である。