■餌付けが招いた弊害に愕然…

「エゾリスにエサをあげないで」注意看板が増加、一体なぜ… 餌付け行為の問題にショック
(画像=『Sirabee』より引用)

みどりと花のセンターの担当者によれば、エゾリスへの餌付けが始まったのは約35年前だという。現在、エゾリスは広く認知されているが、当時の人々の見方は異なったようだ。

担当者は、「環境系まちづくり団体『エゾリスの会』が緑ヶ丘公園で見られるエゾリスの頭数を調査したところ、当時はエゾリスが1~2頭しか生息していないことが分かりました。同会によれば、公園を訪れる人がエゾリスに慣れておらず、リスに石を投げる人が頻繁に見られたそうです。そこで、『エゾリスの会』は多くの人々にリスが住む公園を大切にしてもらおうと考え、人がリスに慣れるため、帯広市の許可を得て公園内に餌台を設置し、リスの食事風景を見せることにしたそうです」と説明する。

餌台設置により、エゾリスを攻撃する人は減っていき、親しみを持つようになった。その後、野生動物と接触することで感染症等にかかるリスクがあると判明し、餌台は撤去された。

だが、餌付けする習慣が根付き、無許可で餌台を設置する人や手渡しで動物に餌を与える人が後を絶たない状態になってしまったのだ。

■一向に減らない餌付け行為

餌付け行為が常態化した結果、エゾリスだけでなく、シジュウカラなどの野鳥が公園の利用者の体に乗ることもあったそうだ。2020年9月から野生動物に餌を与えないよう注意を促す看板を掲出し、注意を呼びかけている。

「エゾリスにエサをあげないで」注意看板が増加、一体なぜ… 餌付け行為の問題にショック
(画像=『Sirabee』より引用)

だが、餌付け行為は一向に減る気配がないという。担当者は、「21年6月から22年2月の弊社の調査では、少なくとも197件の餌付けが確認され、餌付けごみ(食べ残し等の生ゴミ)を約20kg回収しました。また、餌付けを良しとする利用者と反対の立場を取る利用者が口論になったケースも数件見られたほか、エゾリスが体に登りツメで怪我をする人などが見られました」と表情を曇らせる。

こうした背景もあり、対策を強化することになったのだ。担当者からは「餌付けが増える季節の冬から翌春にかけて、園内の看板の増設のほか、帯広警察署と合同でリーフレットを配布するなどの対応を取りました」という回答が寄せられている。