料理が完成する手前で、片栗粉がないことに気づいてガッカリした事がある人は沢山いるでしょう。「あんかけはやめて通常のスープにしよう」「急いでスーパーに買いに行こう」その前に!片栗粉には代用品となるものがあります。この記事では片栗粉の代用品となる粉と食材を紹介していますので、ぜひご覧ください。
片栗粉とは
料理に美味しいとろみを加えてくれる調味料の1つの片栗粉。八宝菜、エビチリ、麻婆ドーフ、勿論、日本料理のあんかけにも大活躍してくれる片栗粉ですが、片栗粉の正体を知っていますか?そもそも片栗粉とは何なのでしょうか?まずは片栗粉の正体から見ていきましょう。
片栗粉はでんぷん
片栗粉の正体はジャガイモから取ったでんぷんなのです。なぜ、片栗粉という名前がついたのでしょうか?本来はカタクリと呼ばれるユリ科の植物の鱗茎(りんけい)を原料としたものから取れたため、片栗粉という名前がつきました。
現在では主に料理などに使用されることが一般的ですが、江戸時代には料理として意外にもお湯で溶かしたものを滋養薬として使われていました。しかし、現在流通している大半はジャガイモのでんぷんから取れるものがほとんどなのです。この理由としては明治時代以降から北海道の開拓に伴い、ジャガイモが大量に生産された事にあります。
そして、もう一つの理由としては自生しているカタクリが急激に減ってしまったことです。これにより、カタクリと似た性質があり、安価で作られるということでジャガイモのでんぷんが現在の片栗粉として使われるようになったのです。
片栗粉の用途
では、片栗粉の主な用途は何でしょうか?みなさんすでにご存知かもしれませんが、ご紹介していきます。
- とろみをつける
あんかけの煮物やあんかけスープ、中華料理の麻婆豆腐などとろみをつける料理に使用することです。使用方法は料理の最後に水で溶いた片栗粉を入れると、料理にとろみがつきます。水に溶いた片栗粉の状態は粘度が高くなるので、食材に絡みやすくなります。とろみがつくことによって、温かい料理を維持できます。 - 揚げ物などの衣
唐揚げや竜田揚げなどを衣として使うときに、便利なのも片栗粉です。食材の表側に片栗粉をつけてから、油で揚げたり、焼いたり、蒸したりすることで食感が楽しめる1品が完成します。 - つなぎとして使う
最後はつなぎとして使う方法です。肉や魚を使用した肉団子やつみれを作る時に片栗粉を使用します。挽肉やミンチ、などに片栗粉を加えることでふっくらと、美味しい団子やつみれが完成します。また、おかずだけでなはく和菓子などのスイーツでも活躍してくれます。モチモチ感のお菓子を作りたい時には、片栗粉は外せない調味料なのです。
片栗粉と小麦粉の違い
同じ白い粉として挙げられるのが小麦粉です。片栗粉と小麦粉の違いとは何なのでしょうか?まず、先程ご紹介したように片栗粉の成分はでんぷんです。小麦粉の特徴でもあるグルテンを形成するタンパク質はほぼ含まれていません。
小麦粉は水を加えるとグルテンが作られます。これによって弾力性と粘性のある生地が出来上がります。片栗粉はというと、水を加えても生地にはなりません。水の下に片栗粉は沈みます。団子やつみれを作る時に片栗粉を使用すればふわふわの食感を楽しめますが、小麦粉を使用した場合にはしっかりとした固さの食感となります。
小麦粉には薄力粉、中力粉、強力粉と3つの種類に分けられますが、この違いはグルテンの含有量であり、グルテンの量が増えるほど小麦粉は固くなりやすいのです。片栗粉の代用として使う際には薄力粉を使用するようにしてください。
片栗粉がないときに代用になる粉もの5選
ここからは片栗粉がない場合の代用品について5つご紹介します。片栗粉の代わりになるものは、小麦粉・米粉・パン粉・コーンスターチ・葛粉です。もしも家に片栗粉がない時に代用品として役に立ちますので覚えておきましょう。
【小麦粉(薄力粉)】
小麦が原料。片栗粉と同じように衣付けとして使用できる。肉団子やつみれなどの”つなぎ”にも◎。
【米粉】
お米の粉末。白玉粉や上新粉、もち粉も米粉。粒が細かいほど仕上がりが良くなる。
【パン粉】
強力粉をメインに作られ、つなぎに使える。加熱時にうま味の逃げない美味しいハンバーグが作れる。
【コーンスターチ】
トウモロコシでんぷん。片栗粉に似ているので似た使い方ができるが、片栗粉のように透明でなく白濁する。冷えても粘性を保持する。
【葛粉】
葛の根から取れるでんぷん。片栗粉と似ているので代用が可能。料亭などでは本葛を使用しとろみ付けしている。