キャラクターが異なるHEVとFCEV

【プロ解説】新型で唯一のFR。クラウンセダンは、3mのロングホイールベースを感じさせない仕上がり
(画像=『車選びドットコムマガジン』より引用)

今回は、ハイブリッドのHEV Zと燃料電池車のFCEV Zに試乗しました。

どちらのモデルにもオプション設定のブラックパッケージ(19万8000円)仕様で、245/45ZR20サイズのタイヤとブラックスパッタリング塗装された20インチアルミホイールが装着されています。

まずFCEV版クラウン セダンの乗り味ですが、水素を燃料に使用しモーターを駆動させて走行するFCEVのスムーズな加速性能と高い静粛性、フラットライドな乗り心地はショーファードリブン向きと感じました。

水素燃料のインフラが気になるところですが、新型クラウン セダンが目指したショーファーニーズに応える性能と豪華さをFCEV車は備えています。

【プロ解説】新型で唯一のFR。クラウンセダンは、3mのロングホイールベースを感じさせない仕上がり
(画像=『車選びドットコムマガジン』より引用)

いっぽうHEV版クラウン セダンは、ドライバーのペダル操作に対してエンジンがリニアに反応することがポイント。

エンジンが積極的に仕事をしてくれるので動力性能面ではまったく不満はありません。

市街地での乗り心地は、リアサスペンションが柔らかすぎる印象で、段差を乗り越えたときなどは揺れが大きく、収束も遅め。良くも悪くも、かつてのクラウンロイヤルシリーズを彷彿とさせます。

とはいえ高速道路では、一変してフラットライドな乗り味へと変わります。

クラウン セダンには、AVS(電子制御減衰力調整式サスペンション)が装備されているので、乗り味はAVSの制御次第ともいえます。

個人的は、街なかなど低速域ではもう少しリアがしっかり踏ん張ってくれるほうが好みですが、VIPが乗るショーファードリブンに相応しい上質な乗り味と高い運動性能を両立させることを考えると、これはこれでありなのかもしれません。