■存亡の危機にあるユニークな言語
人類学者のウンディー博士は、人類学的理論を持っている。ウバンに存在する2つの言語は、日常的に男性と女性が別々の領域で活動し、めったに一緒にならない別々の世界に住む「デュアルセックス文化」の結果であるというものだ。しかし、ウンディー博士は、この理論が弱いことを認める。なぜなら、アフリカの多くの地域にデュアルセックス文化が存在するが、違う言語を持つのはウバンだけだからだ。
ウバンの人々は、彼らの独特な言語を非常に誇りに思い「神からの祝福」と見なしている。
しかし、今日ナイジェリアの若者の語彙には、英語の単語が入り続けている。ウバンの中学校教師、スティーブン・オチュイは次のように語る。
「生徒たちは、英語の単語を混ぜずに純粋なウバン語を話すことは、ほとんどありません」(オチュイ教諭)
そのため、ウバンの2つの言語は永遠に失われる危険にさらされている。ウバンの独特の言語は男性版も女性版も、文字として書き留められていないので、この言語が存続するかどうかは、若者に頼る状態なのだ。
イバン首長はいつの日か、ウバンに言語センターを設立し、コミュニティの2つの言語の独自性を紹介したいと考えているとインタビューで明かす。
日本語にも男言葉、女言葉、話し手の性別によって語尾の違いがあるので、ウバンの性別で異なる言葉をそれほど奇異には感じない。ただしウバンの場合は、性別によって使う単語自体が違うということなので面白い。イバン首長は「言語が死ぬと、ウバンの人々はもう存在しなくなります」と述べているが、ウバンのユニークな言語と文化が、生き延びることを願いたい。
提供元・TOCANA
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