研究モードの実装によって、8695人のプレイヤーから合計6万7328回のプレイデータが得られ、プレイ中の気分の変化が調査されました。
その結果、参加者の72%で「気分の向上」が見られました。
しかもその大部分は、プレイ開始後15分間に発生しました。
ゲームに関するこれまでの研究では、数週間から数カ月にわたる心理的変化の可能性(例:学業成績、うつ病、生活満足度への影響)が示唆されることが多く、短期的な影響についてはあまり知られていません。
一方で今回の結果は、短時間のプレイが気分を向上させることを示しており、これは、多くの人がゲームプレイに求めること(「気分転換したい」「リラックスしたい」)と合致しています。
さらに、パワーウォッシュシミュレーターがもたらす気分の変化の程度は、テレビ・読書・買い物を楽しむ時に見られる気分の向上よりも大きいと判明しました。
このことは、忙しい社会人が気分転換を求めて、「短時間テレビを見る」よりも、「短時間パワーウォッシュシミュレーターをプレイする」方が効果的である可能性を示唆しています。
とはいえ、音楽・食事・散歩・セックスを楽しむことよりは、気分の変化は小さいようです。
そのため研究チームは、「パワーウォッシュシミュレーターのようなゲームは、気分が落ち込んだ時の万能薬ではないが、気分が落ち込み続けないよう助けてくれる」と述べています。
なお今回の研究は、幅広いレジャー活動がもたらす一般的なリラックス効果や気分向上効果を基準に比較していますが、ゲームタイトルは特定の作品に着目しているため、全てのゲームに当てはまる効果を調べたわけではない点に注意してください。
現実の活動を疑似体験させる「シミュレーター」タイプのゲームには、デスクワーク、建設、農業、運転など様々なものがありますが、すべてのシミュレーターが同じように気分を向上させるかどうかは不明です。