キー局の人材を引き抜き
ネットフリックスはキー局の人材を引き抜くべく、積極的に採用活動を展開しているという。
「ドラマに限らずバラエティなどの制作系スタッフに高い報酬を提示して声をかけているようです。ただ、なんだかんだいってもキー局の社員は高収入で、定年までいれば高い退職金ももらえる一方、ネットフリックスはパフォーマンスが悪ければすぐに解雇され、使い捨てにされるリスクもある。天秤にかければキー局に残っていたほうが身分も安定していて生涯賃金もよいということで、局を辞めるにまで至る人は少ないもよう。特にネットフリックスが欲しいセンスが若い20~30代は行かないようで、最近はキー局とつながりが深い大手の制作会社の社員に声がかかっているようです。
もっとも、もともと退職や独立を考えていた社員であったり、退職を数年後に控えている社員であれば、とりあえず数年はネトフリの仕事で収入を得られるということで、オファーに乗るケースもあるでしょう。また、フリーで活動しているクリエイターであれば、社員としての雇用であろうが数年間の独占契約であろうが一定期間の収入が保障されることになるので、特にデメリットはないのでは」(キー局社員)
「キー局のプロデューサーが局を辞めてネットフリックスと1~2年単位の契約を結ぶという動きがありましたが、結果を出せないと契約更新されず、事実上のクビとなる人も結構いると聞きます」(テレビ制作会社関係者)
「ネットフリックスはキー局の人間に限らず、採用活動として日頃から常に異業種の人材も含めて優秀な人材へのコンタクトを行っています。映像関連業界、金融業界やIT業界からの転職組も多いです。ユーザの利用状況から収集した膨大なデータを分析してコンテンツ展開に活用することで成長してきた会社なので、実態としてはITのエンジニア集団という顔を持っています。データを重視する経営スタイルのため、作品にもよりますが、企画・制作が進行している途中でもクリエイターを降板させて他の人にすげ替えるということもあります。一定の成果を求めるという点は非常にシビアです。
また、ネットフリックスには各分野で最も優秀な人材を雇用しなければならないというルールがあるため、突然の解雇が日常的に行われています。社員の平均勤続年数はものすごく短いですが、外資系企業出身者であれば短期間での転職を繰り返すことに慣れているので、抵抗はないでしょう」(動画配信会社関係者)
「最高の人材だけで組織を構成する少数精鋭主義を徹底し、最高と認められなくなった社員は即クビ。その代わり待遇は業界最高水準を提示し、出張・経費・休暇などすべて本人に任せられる。問われるのは結果だけで、業務遂行においても上司の承認を得るプロセスは不要、自己判断と自己責任が貫徹されているという。過去には資金繰りに窮した際、有能な社員80人のみを残して、その他の人材を解雇し、その割合は全社員の3割に及んだものの、結果的に会社全体での仕事の質が高まり業務のスピードも上がったというエピソードは有名だ」(23年7月30日付当サイト記事より)
(文=Business Journal編集部)
提供元・Business Journal
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