2017年2月設立のPykaは、「典型的なスタートアップ」らしく共同設立者兼CEOであるMichael Norcia氏の実家のガレージで事業を開始したという。しかし、同社のコンセプト機「Big Bird」にはガレージでは狭すぎたため、間もなくバックヤードに移動。

当初から大型ドローンにフォーカスしていた同社は、同年7月にY Combinatorの夏バッチ参加が決定。翌8月、YCデモの2週間前に400 ポンドUAV「Big Bird」の初飛行に成功した。わずか5人のチームで、Big Birdの設計・建造・飛行まで3か月で達成したという同社は、無事にYCに採択され300万ドルの資金を調達している。

Image Credits:Pyka

その後はニュージーランド民間航空局などと共同開発を行ったり、本国に先駆けコスタリカやブラジルでドローンが導入されるなど国際的に活躍中だ。昨年は、排出ガスゼロ自律航空機の製造拡大のため、カリフォルニア州知事から700 万ドルの州税額控除を獲得したほか、アメリカでのPelican Spray商業運用認可を取得している。また、5人だった従業員は昨年8月に50人到達と、10倍に成長した。

高度な自律飛行を支える技術力

Pykaの企業当初からの目的は、「世界で最も優れた自律飛行ドローンをイチから開発すること」だという。Pykaが展開するドローンは現在「Pelican Spray」および「Pelican Cargo」の2モデルで、いずれも4基の100kW出力モーターを持ち交換式の50kWhリチウム電池を搭載している。

高度な自律飛行技術を活用、有人飛行機ではパイロットの高度な技量が問われる夜間飛行も可能だ。ドローンに搭載されるのはPykaの独自フライトエンジン。2台の独立したコンピューターが備えるプロセッサ6点によって1秒につき数百万ものインプットを処理するという。こうしたインプットは、機体各所に設置されたLIDARやレーザー、IMUによって捕捉される。