高解像度カメラ搭載やAIによるデータ解析技術、5G通信技術の導入などによって、ここ数年でドローン点検作業における精度と効率が大幅に向上。送電線や風力発電設備から橋梁などの大規模インフラ、建築物の外壁の調査・点検といった分野でドローンの導入が急速に進んでいる。

200キロ近い貨物を積載・運搬できる大型ドローン、米軍も注目

小型で高性能なドローンの開発も進む中、用途に合わせて大型ドローンも登場してきた。この記事で解説するカリフォルニア州アラメダのスタートアップPykaの製品は、200キログラム近くの貨物を積載できる大型機である。

Image Credits:Pyka

大規模農場に農薬を広域散布するため、あるいは数百キロメートル先の目的地に貨物を緊急輸送するための完全自律型電動飛行機だ。フライトにかかるコストを大幅削減できるうえ、大規模な滑走路も必要なくなるとのこと。Pykaのドローン離陸に必要な滑走路の条件は幅8メートル・長さ250メートルだ。離陸までの滑走距離は、Sprayが最大積載状態で180メートル、Cargoが150メートルである。

9月23日、PykaはシリーズBラウンドで4,000万ドルを獲得した旨を発表。Obvious Venturesが主導したラウンドにはPiva Capital、Prelude Ventures、Metaplanet Holdings、Y Combinatorといった新規・既存投資家も参加している。

民間向けのみならず、今年初頭には米国空軍に機体(Sierra Nevada Companyと共同開発したPelican Cargoの改良型「RUMRUNNER」)を3機納入しているPyka。今回のシリーズBラウンドでの資金調達により、Pelican SprayとPelican Cargoの生産を拡大すると同時に、米国国防総省とその同盟国の物流を支援するシステムの開発を行うとしている。

設立から数か月でYC採択、従業員は6年で10倍に