さらに、イルカが相手の笑顔を真似する確率が、ミーアキャット(Suricata suricatta)やマレーグマ(Helarctos malayanus)など肉食動物の研究で報告されたものと近しい結果であったことも今回の研究成果を裏付けています。

この研究でバンドウイルカが遊びの中で笑顔を使ってコミュニケーションをとることがわかりましたが、研究者らは、表情以外にもイルカが発する声や水の動きによって生じた水圧の変化など触覚的な刺激がコミュニケーションにどう影響しているかについても調査する必要があるとしています。

今後、視線追跡技術や超音波音声録音などを用いた様々な研究が行われれば、イルカが遊びの最中にどのようにしてコミュニケーションをとっているのかより深く解明されるかもしれません。

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参考文献

Bottlenose dolphins ‘smile’ at each other while playing
https://www.guampdn.com/news/national/bottlenose-dolphins-smile-at-each-other-while-playing-study/article_9504f779-aca2-52b1-9841-5b472e5bf3d2.html

元論文

Smiling underwater: Exploring playful signals and rapid mimicry in bottlenose dolphins
https://doi.org/10.1016/j.isci.2024.110966

ライター

門屋 希実: 大学では遺伝学、鯨類学を専攻。得意なジャンルは生物学ですが、脳科学、心理学などにも興味を持っています。科学のおもしろさをわかりやすくお伝えし、もっと日常に科学を落とし込むことを目指しています。趣味は釣り。クロカジキの横に寝転んで写真を撮ることが夢。