・タイプB1:アイパッチの大きさがAの2倍ほどで、主にウェッデルアザラシを食べるタイプ
・タイプB2:アイパッチの大きさがAの2倍ほどで、主にペンギンと魚類を食べるタイプ
・タイプC:体長とアイパッチも小さく、主にライギョダマシなどの魚類を食べるタイプ
・タイプD:アイパッチが最も小さく、魚を食べるタイプ
(ちなみに北半球のシャチも主に3タイプに分類され、海岸付近に住む「レジデント型」・沖合に住む「オフショア型」・海域を移動しながら暮らす「トランジエント型」があります)
ただ南半球のフンボルト海流に暮らすシャチ集団が、この5タイプのどれに当てはまるかはよくわかっていませんでした。
このタイプ分類を知ることは、特定のシャチ集団を効率的に保護する上でも非常に重要です。
そこで研究チームは今回、フンボルト海流のシャチ集団がどのような食性を持っているかを調査しました。
イルカを捕食している様子を初確認!
本調査ではチーム自らの現地調査に加えて、漁船やホエールウォッチング旅行によって収集された写真や動画などの市民科学データを組み合わせています。
その結果、フンボルト海流のシャチ集団がイルカを捕食している証拠が初めて確認されました。
イルカを食べていたのは一度ではなく、何日も連続してイルカを狩っていたことから、この集団はイルカを常食していると見られています。
シャチの餌食になっていたのは「ハラジロカマイルカ」でした。
本種は名前の通り、黒っぽい背中に反して腹部が白いのが特徴です。
また狩りの手法もかなり過激で残忍なものでした。
シャチ集団は群れで1匹のイルカを囲うと、メスのリーダーがイルカを空中に弾き飛ばしながら何度も衝撃を与えて死に追いやっていたのです。