しかし、結局は詰め寄られ、「言い間違えた(misspoke)」と言及。天安門事件当時、香港にいなかったと渋々認める運びとなりました。

バンス氏、米大統領選で敗北した場合の対応について模範解答でかわす

今回のディベートでも、やはり2020年の米大統領選結果に対するトランプ氏の抵抗が取り上げられ、バンス氏に敗北を認めるかとの質問が突き付けられました。

そこでのバンス氏の回答は、まさに模範解答というにふさわしい。「トランプ氏は平和的に権限を移譲した。もしあなた方(民主党陣営)が勝利すれば、私は握手をしてあなたのために祈り、あなたを助けるだろう」と回答し、攻撃的なトランプ氏に対しスマートに対応したのです。

これには、ウォルズ氏も肩透かしを食らったことでしょう。ただし「民主党は2016年、ロシアのプーチン氏が米大統領選を盗んだと非難したことを覚えておいてほしい」と、痛烈な皮肉を放つのも忘れません。

バンス氏、ハリス氏が検閲を推進したと批判

ウォルズ氏がトランプ氏の2020年米大統領選結果に抵抗した事実に基づき、トランプ氏が民主主義の脅威と警告した一方で、バンス氏はハリス氏が検閲を推進したと批判しました。これは、コロナ・ワクチンへの反対意見がSNSで禁止されたことなどに依拠します。

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOが8月に書面で民主党の関与について指摘していましたよね。ハリス氏を始め民主党が「私の体のことは私が決める(my body my choice)」とのキャッチフレーズで中絶の権利を主張する反面、ワクチン接種を米国民に強制したとの批判が存在するのも事実です。

銃問題について、両者は一定の合意を形成

バンス氏が銃乱射事件の増加と移民の急増を結びつける場面もありましたが、基本的に両者は一定の合意を形成しました。

バンス氏が学校の警備強化の必要性を説くなかで自身の3人の子供に言及すると、ウォルズ氏が「私の17歳の子供は銃乱射事件を目撃した」と語り、バンス氏が慰めるシーンも。そのほか、ウォルズ氏は「私は猟師の一面もあり、銃を保有している…ハリス氏は憲法修正第2条を覆し、銃をあなた方から取り上げようとしていない」と強調したものです。