■“タマリスク説”と“地衣類説”

 聖書にはマナはイスラエルの民が砂漠で飢えないように神から送られた食糧であるという以上の説明はなく、マナが何であったのかは聖書の教義的には重要なことではないとされている。

 しかし一部の研究者たちはマナの正体の追及を止めなかった。 自然界のものの中に、マナに似たものがあるのかそれ特定しようと試みたのである。そしてある専門家はタマリスク(ギョリュウ)の樹脂であると指摘している。

 20世紀、シナイ半島に住むアラブの商人たちは、タマリスクの木の樹脂を「天国のマナ」と呼んで販売していた。シナイ半島南部にはタマリスクの木がたくさんあり、その樹脂はワックスのように見え、太陽光に当たると溶けて採取が容易になった。

 樹脂には芳香があり、蜂蜜のような味わいでありマナの特徴とよく似ていることから、一部の学者たちはタマリスクの樹脂がマナである可能性があると解釈したのである。

 しかしタマリスクの樹脂は主に砂糖でできており、イスラエルの民が40年間生き残るための食糧としては栄養が偏り過ぎているといえる。またパンやケーキを樹脂で作るというのはきわめて難しい。

 さらにタマリスクの木の樹脂は6月と7月にしか採取できないといわれており、また多めに採って一晩保存したとしても腐ることはない。こうしたことから、“タマリスク説”は却下されたのだ。

 ほかの何人かの研究者は、イスラエルの人々に提供されたマナは一種の地衣類(lichen)であったと信じているようだ。

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(画像=地衣類の一種 画像は「wikipedia」より,『TOCANA』より 引用)

 地衣類は菌類のうちで藻類を共生させることで自活できるようになったものであるが、聖書には地衣類の落下についてのいくつかの記述が確かにあるのだ。これにより、研究者たちはマナが確かに地衣類であると胸を躍らせたのだが、しかし地衣類の特徴もまた旧約聖書のマナの特徴とは一致しているとはいえない。

 これまでのところ自然界でマナに該当するものはなく、タイムマシンに乗って旧約聖書の時代に戻り、唯一マナを口にしたことのあるイスラエルの民に聞くしかないのだろうか。

 もしこの時代の人類にエイリアンの関与があったとすれば、彼らエイリアンによって提供された“完全栄養食品”であったのかもしれない。

提供元・TOCANA

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