夢のマイホームを購入するときに、さまざまな税金が発生することはご存じだろうか。
多額の税金が発生するが、制度を正しく利用することで税金を半分にできるものもある。
無駄な税金を払わないためにも、4つの制度について順番に見ていこう。
住宅ローン控除
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して住宅の新築や購入をしている場合に、一定の条件を満たすことで所得税や住民税が控除される制度のことだ。
控除される金額は、年末時点での住宅ローンの残高をもとに以下の計算式によって算出される。
控除金額=年末時点の住宅ローン残高×0.7%
たとえば、年末時点での住宅ローンの残高が2,000万円だった場合、翌年の所得税や住民税から14万円控除されることになる。
ただし、控除額の上限が設けられている点には注意しておきたい。
不動産取得税の減税
不動産取得税の減税とは、不動産取得税を計算する際に軽減措置を受けられる制度のことだ。
新築住宅と中古住宅のどちらを取得したかによって異なるが、新築住宅の場合は建物の固定資産税評価額から1,200万円が控除される。
不動産取得税の計算式は以下の通りだ。
不動産取得税=固定資産税評価額×3%
たとえば、固定資産税評価額が2,000万円の場合は、1,200万円の控除を受けて不動産取得税は24万円となる。
軽減措置を受けなければ不動産取得税は60万円となるため、36万円の控除ということになる。
不動産取得税の軽減措置を受けるためには、住宅の面積などいくつかの要件があるため、事前に国税庁のホームページなどで確認しておくと良いだろう。
固定資産税の減税
固定資産税の減税とは、新築住宅が床面積などの要件を満たすことで固定資産税が2分の1に軽減される制度のことだ。
具体的には、一戸建てや店舗・賃貸併用住宅であれば、自らが居住する部分については50㎡以上280㎡以下、貸家部分については40㎡以上280㎡以下の面積を満たす必要がある。
上記の要件を満たす場合に、新たに課税される年度から3年度分の固定資産税が半分まで軽減される。
また、認定長期優良住宅においては、同様の面積要件を満たすことで、新たに課税される年度から5年度分の固定資産税が半分まで軽減されるが、1戸あたり120㎡までが限度となる点には注意が必要だ。
贈与税非課税措置
贈与税非課税措置とは、住宅を取得する際に父母や祖父母などの直系尊属から資金の贈与を受けた場合に、最大1,000万円まで非課税になる制度だ。
本来、現預金の贈与を受けた場合は金額によって最大55%の贈与税率が発生するが、制度を利用することで、無駄な納税をすることなく住宅を建てることができる。
贈与税の非課税限度額は住宅の質によって異なり、一般住宅は500万円、質の高い住宅は1,000万円が上限となる。
両方に共通している要件は、令和4年1月1日から令和5年12月31日までに贈与されていることと、贈与を受けた年の受贈者の所得金額が2,000万円以下であることだ。
また、1,000万円を上限にするための「質の高い住宅」の要件には、以下の3つのうちいずれかを満たす必要がある。
・断熱性能等級4以上もしくは一次エネルギー消費量等級4以上
・耐震等級2以上もしくは免震建築物
・高齢者等配慮対策等級3以上
新築住宅を建築するときに親からの援助を受けることはよくある話ではあるが、制度を利用しないと多額の税金を支払うことになるため、覚えておきたい制度だ。
無駄な税金を払わないためにも制度を賢く利用しよう
住宅を購入すると多額の税金が発生する。
購入時に発生するものもあれば継続的に支払う必要がある税金もある。
これらの税金を無駄に支払わないためにも、税金が軽減される制度についてを理解して賢く利用しよう。
文・高槻翔太
不動産、金融ライター。日本大学卒業後、不動産・建設の土地有効活用のコンサルティング営業を6年、人材業界の法人営業を半年間経験し現職。FPや顧客の資産運用の経験をもとに、不動産や金融メディアで執筆を行っている。得意分野は不動産、不動産にかかわる税務、金融。
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