橋下氏は従前から外形的公正性ルールを重視しているため、このような主張が出てくるのはある意味で当然でしょう。

橋下氏ですら「怪文書・誹謗中傷」と言っている告発文書

上掲で引用した文では、橋下氏は明確に「怪文書・誹謗中傷」と書いていることに気づきます。つまりあの告発文書は公益通報じゃないということです。

ですから、現行法上の問題は無いとした上で、それでも斎藤氏が知事として相応しくないということの説明に、首長の権力行使の在り方として手続上の問題があり、さらには首長の情報発信として発言が部下に与える影響、その後の職場環境に与える影響の問題があると指摘していると整理できます。

政治的な話はなかなか表立って言われることはありませんが、自民党派と維新派の対立があり、斎藤知事と議会の関係も良好ではないという政治状況から本件の斎藤知事の行動(維新の会から促されても最初は辞任しなかったこと、出直し選挙に出馬することも含む)を評価する者も居ます。

そのあたりを混同した理解があるのと、結論として斎藤元彦氏が知事にふさわしくないから法的問題もあるということにしたい人らが居るというのが実情だろうと思うのです。

編集部より:この記事は、Nathan(ねーさん)氏のブログ「事実を整える」 2024年10月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「事実を整える」をご覧ください。