総裁選を経て総理大臣に就任し、10月1日の組閣には、森山自民党幹事長の意見が大いに取り入れられたと言われている。今回の組閣に関して、安倍派、二階派外しを露骨に行ったこと、また、総裁選本選において麻生派を出し抜いてキングメーカー菅元総理の働きを重視したことが、自民党内の融和を欠いた人事となったことを懸念する識者は多い。

幸いにして、再三、触れているように、現状で野党の支持率が低下している中において、総選挙をやったとして、自民党は議席を減らしたとしても、野党が政権を奪取する可能性は限りなく低い。であれば、減らせた議席数にもよるが、新総裁の責任論を追求するまでには至らないだろう。

ましてや、鳥取選挙区で絶大な支持率を誇る石破総理は、万が一にも小選挙区で議席を落とすことはない。つまり石破茂がアジア版NATOなどという妄想を抱き、自民党総裁選で打ち出したのは、自分が総裁になれば、という大前提で自ら理想としてきた安全保障のあり方を言葉に表したが故だ。

地方の有権者は、石破茂が尤もらしい顔で、なんだか小難しい外交の話、安全保障の話をすれば、石破は日本国と国民の安全保障を本気で考えていると勘違いするのも分からないではない。

少なくとも、ここ20年くらいの日米安全保障の現状を見てきた人間には、石破茂の言うアジア版NATOの幼稚な理論、安倍元総理が苦労してようやく形にしてきた「自由で開かれたインド太平洋」構想、岸田前総理がこぎつけた「インド太平洋経済経済枠組み(IPEF)」の努力を霧散させるほど、幼稚な理論なのだ。

以降、

続きはnoteにて(倉沢良弦の「ニュースの裏側」)。