という、いかにも美辞麗句を並び立てただけの言葉の羅列に過ぎない。
経済発展を遂げていた中国の台頭を踏まえた時、デフレ不況に喘いでいた日本にとって、中国経済は不可欠であると同時に、日本の技術を中国サマに無条件で提供しようと言う風にも聞こえる。
これに猛反発したのが時の自民党政権だった。それは当然だろう。何を好き好んで日本が世界でプレゼンスを獲得するための経済の柱となる革新的技術を、中国サマの為に提供しなければいけないのか?しかも、中国共産党は1990年代以降より進めてきた経済発展の裏で、国策として様々な謀略に関して警戒感を強め始めた矢先、美辞麗句に彩られた鳩山由紀夫の言い回しは、日本を中国に売り渡すかのような聞こえ方をしたのも当然だ。
加えて、これも当時から指摘されていたことであるが、尖閣諸島に関する鳩山由紀夫の見解はほとんどの日本人の考え方とは真逆のものだった。
近隣諸国と経済的連携を踏まえながら、相互に発展を図るのは、国家としては理想形であると思うが、一方、軍事力を背景に他国の主権を侵害するような行為に対して、一定の警戒感を持つのは、個別的自衛権の範疇で当然であり、その意味で、あたかも自国の国益を害するような発言を現役の総理大臣、或いは元職の総理大臣が行うことは、国民に対する一種の裏切りとも言えないだろうか。
理想は理想として大切にすればいいが、一方、その理想ばかりが先行することで国民に不安感を及ぼすような総理大臣が、果たして、国家と国民のリーダーと呼べるのだろうか。その疑問は拭えない。