1994年4月5日にシアトルの家で自らの命を絶ったロックバンド・ニルヴァーナのカート・コバーンは、そのとき27歳だった。90年代の音楽シーンを席巻した一大ムーブメント「グランジ」のアイコンであったカート・コバーンの死は、人々に大きなショックを与えた――。
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■27歳で死亡する“27クラブ”とは?
そして当時、コバーンの母・ウェンディが地元紙からインタビューを受けて語ったコメントは、陰謀論者を熱狂させた。
ウェンディは「カートは、あのバカなクラブに入ってしまった」と嘆いた。さらに「私はいつも、彼にそのクラブに入らないように言っていた」とも話したという。
さて、コバーンの母親が漏らした「あのバカなクラブ」であるが、米国の音楽界、ショービジネス界には、ひとつのジンクスがある。
なぜか成功を収めた若きスターたちは、27歳で他界するケースが非常に多いのだ。欧米でそれは「The 27 Club (27クラブ)」と呼ばれている。
ここで「The 27 Club」の主なメンバーを書き出してみると、ロック界のレジェンド、ジミ・ヘンドリックス、ドアーズのジム・モリソン、ジャニス・ジョプリン、ローリングストーンズのブライアン・ジョーンズなど、才能にあふれた若いミュージシャンがずらりと並ぶ。そして全員が、1969年から1971年の間に27歳で死亡している。
近年またこの「The 27 Club」が話題に上ったのは、2011年にR&Bシンガーのエイミー・ワインハウスが27歳の若さで死亡した時であった。さらに2016年には、スター・トレックにも出演し、将来を嘱望されたアメリカの俳優アントン・イェルチンが、車の事故でこのクラブに入部した。他にも数多くのミュージシャン、俳優がこのクラブに入っており、全員の名前を書くことは不可能なくらいである。