日本では雷の直撃を受けた人の7割が死亡しているといい、雷が鳴り始めたら屋内に避難するよう呼びかけが行われている。危険な雷であるが、世界には雷に打たれて生還し、さらなる奇跡を体験した人々もいる。今回はそんな人々を6人ご紹介しよう。

1. ピアニストになった男

 1994年、米国の整形外科医トニー・シコリア氏は公衆電話を使った直後、近くに落ちた雷を受けて一時心停止に陥る重傷を負った。たまたま次に電話を待っていたのが看護師で、シコリア氏は顔にやけどを負ったものの一命を取り留めた。

 シコリア氏は一時的に記憶障害になったものの、数週間後にはすっかり回復していた。だが、なぜかピアノの曲を聴きたいという強い欲求が湧き始めた。それまで音楽には興味がなかったというが、彼の頭の中には聞いたこともないメロディが常に流れていたという。ついにはピアノを購入して演奏や作曲を学び始め、今ではプロの作曲家・ピアニストとして活動している。