トランプ政権での反転
中国が台湾で動かなかったとしても、少なくともハリス・石破の日米コンビでは、両国のジリ貧は方向付けられたと筆者は考える。
石破氏は、10月中の解散総選挙を視野に入れたようだ。仮に自民・公明が大敗しても、野党第一党の立憲民主党の野田新代表は、財務省を頂く増税翼賛会のメンバーであり、経済財政政策の考えは石破氏とほぼ変わらず、両党が大連立を組んでも違和感はない。そして、日米双子のジリ貧への道は変わらない。
だが、救いはある。上記はハリス政権下でのシナリオであり、接戦が伝えられる米大統領選でトランプ氏が勝利すればガラリと様相は変わる。大方の予想に反し、筆者はその可能性は7:3でトランプに分があると見る。仮にそうなった場合は、石破氏には申し訳ないが粘着質で優柔不断な故、トランプ氏に面と向かってはスルーされて、間接的には揶揄や罵倒される図が目に浮かぶ。
そして、その際には今回総裁選でキングメーカーの座から滑り落ちた麻生氏の、肌の合うトランプ氏の窓口としての復権が予想される。
石破氏が上手く方向転換出来なかった場合には、総選挙では首が繋がったとしても早期退陣が有り得る。その場合、後継に高市氏の名も挙がるだろう。
高市氏の今回の総裁選敗戦については、裏金議員の推薦人の数、日銀政策への批判発言、群れない性格、岸田氏が卒業旅行のバイデン詣ででネジを巻かれて寝返った事、等々も言われるが、首相としての靖国参拝明言がやはり大きかった感がある。
筆者は、本来堂々と首相として靖国参拝を行い、更にはサンフランシスコ講和体制についても米国に言うべき部分は異議申し立てすべきと考えるが、後者については拡大中国包囲網で中国の牙を抜いてから将来の話との立場を取る。それまでは、米国を過度に刺激するのは少なくとも戦略的には上策ではないだろう。首相参拝についても、たとえトランプ政権の場合であっても米国とよくよく調整の上で行うべきと考える。