高水温がひとつの要因であることは確かだ。それでも日中食ってくるのは、おそらく、釣り人が撒き餌をしている理由が大きいのではないかと思う。それが暗くなるとなくなるものだから、マヅメまでに捕食を終えた根魚は食わなくなるのだろう。

そこで、こちらも少し考えた。いつも通りの「辛気臭いフィネス」…すなわちアジングに寄せた釣りをしていく。プランクトンパターンの魚を狙って、小腹を満たそうとしているカサゴを見つけてやるわけだ。ジグヘッドも0.75gとかなり軽くした。

キワをふわ釣り。タナをかえながら、ふわふわ、ふわふわとワームを漂わせる。触らない。ボトムに近づけて、少しアクションを大きめに入れると一度触ったが、見切られてしまった。ここまでか、と思ったときに、ドンッとでかいアタリがきた。

ラストに47cmチヌ

よっし、いいカサゴだ、と思ったのはその瞬間だけのこと。ドラグがキィィィィンと久々に狂ったような悲鳴を上げるので、慌てて緩めた。こいつ、チヌだな。ぶんぶん頭を振りやがる。もしかするとシーバスかもしれない。とにかく、いいサイズだ。

泉大津でのライトルアー釣行で47cmチヌ【大阪湾奥】夕マヅメには良型カサゴ連打47cmチヌ浮上(提供:TSURINEWSライター井上海生)

取り込むまでに10分近い時間を要した。ここまで手がつけられなかったチヌも珍しく、上げてみるとさすがにサイズがいい。もしかしたら、と思ったが50には届かず47cmだった。5lbのリーダーだったので途中で切れるかと思ったが、意外にもそちらは無傷。だが、ハリはさすがに思い切り伸ばされていて、もう少しでフックアウトというギリギリ感だった。

いやあ、久々にチヌ釣って喜びの声が出た。この春先なんかは特に当たり前のようにノッコミのチヌがばかほど釣れていたので、そこから遠ざかって半年弱、このコンディション抜群のサマー・ビッグ・チヌの襲来には痺れた。今年で一番の釣り体験かもしれない。

こいつを釣り上げると、もう満足して次の魚にはいかなかった。曲げられたハリを直して、ラスト一投に何の未練もなく納竿。数としては決して多くないが、カサゴ狙いのビッグ・ゲスト登場に震えた。