イスラエルの暴れぶりに拍車がかかっています。ついにヒズボラの指導者を殺害してしまいました。ヒズボラはレバノンの中にある軍事組織ですが、レバノンの正規軍より規模が大きく、歴史も長く「国家の中の国家」と言われる相手です。つまり準国家指導者を殺害したわけです。これは今までのように抑制的だったイスラム主流派も黙ってはいられなくなるでしょう。イランのハメネイ師がいよいよ立ち上がる可能性があります。

バイデン大統領とネタニヤフ首相 2023年9月 イスラエル政府HPより

イスラエルはなぜそこまでやるのでしょうか?祖国防衛、これが基準だと思います。石破氏が「日本を守る」という趣旨とイスラエルが「国を守る」という意味は同じでしょうか?私は違うように感じます。

日本の戦国時代、城をめぐり戦いが起きるのが普通でした。信長や秀吉がどこどこの城を落としたという話がたくさん出てきますが、あの頃の城は陣地という発想が原点だったと思います。城を落とし陣地を増やし、米の石高を確保し功績のあった部下にそれを分け与える、これが流れでした。つまり城という物理的要衝を抑える陣取りゲームだったと言えます。(実際にはそんな簡単ではないことは100も承知ですがここでは話を単純化します。)

戦国時代は武将を中心としたオセロゲームであり、どの武将につくのが得策か下心満載でした。よって戦争の度に「裏切り」が生じたのはよく知られたところで関ヶ原の戦いはその典型でした。それ以外の小さな戦いでも「裏切り」の連続です。例えば秀吉と家康が争った小牧 長久手の戦いの際でも織田信雄をめぐる裏切りがキーでした。

イスラエルは迫害の歴史を経てようやく手に入れた聖地であります。その聖地は城のようにたくさん作ることもできないし、聖地は世界にただ一つしかないのです。エルサレムは神が宿る城といってもよいでしょう。そこに危害を加えるものは全て罰する、つまり聖戦となります。