■原因は「背光反射」

有力な仮説がありつつ決定的な原因が解明できなかったのは、実際の虫の飛行データによる検証がなされなかったからだと考えた研究グループは、人工照明を用いて様々な角度で虫に光を当て、光に対する飛行姿勢を検証した。

その結果、「背光反射」と呼ばれる虫の本能がその原因であることが初めて科学的に証明されたのだ。背光反射は虫や魚によくみられる姿勢制御機能で、重力を適切に感知できない小さな生き物が、月や太陽の明るさによって天地を判断しているというもの。