Image Credits:Cannondale

Cannondaleは現在Dutch Cargo傘下のいちブランドとなっているが、これは親会社だったDorel Sportsが2021年にオランダの複合企業Pon Holdingsによって買収されたためである。

オランダは、昔から前かごの大きな自転車「Bakfiets」で荷物を運ぶ習慣が浸透している国。オランダ企業Dutch Cargoのサイトではカーゴラインの充実ぶりが確認できる。

Image Credits:Dutch Cargo

台湾のTern Bicyclesは、2017年から「GSD (Get Stuff Done)」シリーズを展開。2020年には新モデルを追加し、今年6月には、コンパクトなカーゴバイクとして「Quick Haul Long」をリリースしている。

Image Credits:Tern Bicycles

電動カーゴバイク世界市場のCAGRは22.8%

海外e-bike業界におけるママチャリ風モデル開発トレンドが続く背景には、環境と健康に配慮した移動手段として世界的に街乗り自転車の活用が浸透したことや、消費者のニーズが実用的製品にも拡大したこと、日本のママチャリ文化の影響などが考えられる。

Grand View Researchの調査では、2023年に12億米ドルと推定された世界の「電動カーゴバイク」の市場規模は、2024年から2030年にかけて年平均成長率22.8%で成長すると見込んでいる。一方、ほぼ同期間のe-bike全体の世界市場規模について、調査会社3社はCAGR約9~10%と見込んでいる。

これらのデータからも、同セグメントに参入する世界的メーカーが今後も増加するのは必至だ。ママチャリ発祥の国である日本は、カーゴバイクでも「逆輸入」という事態を回避し、自動車分野のように海外でも存在感を発揮できるだろうか。