AI技術が目覚ましい進歩を続ける昨今、人間同士のコミュニケーションが重要な営業(セールス)分野でもAI活用が進んでいる。Techableでも営業担当者の雑務負担軽減ツールやAIアバター機能付きのセールス動画制作ツールなどの事業を紹介してきた。
Google Venturesから資金調達のBounti、「AIは万能薬ではない」
AIの有用性を認めつつも、あくまで「人間中心のセールスアプローチが必要」とするスタートアップが、サンノゼを拠点とするBountiである。AIと人間の直観力を組み合わせることで、従来の営業手法の限界克服を目指す企業だ。
営業担当者をサポートする自律AIツールを提供する同社は9月12日にステルスモードを抜け、Google Ventures主導のシードラウンドで1,600万ドルの資金調達を発表。あわせて、シリコンバレー古参として実績の高いLew Cirne氏を独立取締役に迎えたことも明らかにした。
Bountiのツールは反復的なタスクを自動化するだけではなく、顧客一人ひとりのニーズに合わせたアプローチを可能にし、そこから洞察を得ることで、営業チームがより多くの取引をより迅速に成約まで持っていけるというもの。今後、AIが営業においてますます重要な役割を果たすことは間違いないが、Bountiによると「現在のAIは万能薬ではない」。人間の洞察力や直観力、経験は、営業活動において依然として必要不可欠だという。
AI製品急増で顧客との関係は「どこかが壊れている」と指摘
Bountiの共同創業者であるMatt Cooley氏は、「こんにちの営業担当者と顧客の関わりは、どこかが壊れてしまっている」、「AI製品の爆発的な増加により、パーソナライゼーションと人間同士のつながりが浸食されている」などと指摘。
「顧客は自分のニーズにつながりのない営業アプローチに疲れ切っている」と語っている。