2024年はオリンピックが開催されたこともあり、競技スポーツに注目が集まった年です。
そんな競技スポーツですが、現代だけではなく江戸時代の人々も楽しんでいました。
果たして江戸時代の人々はどのようなスポーツを行っていたのでしょうか。
そこで今回は、江戸時代の人々の間で流行っていたスポーツについて、球技や格闘技などの分野ごとに紹介していきます。
なおこの研究は、東洋法学第62巻第3号に詳細が書かれています。
目次
- 庶民も始めた蹴鞠、石を投げあう子どもたち
- 見るだけではなく自分たちもやっていた相撲、スポーツ化が進んでいった剣術
- 風俗店兼カジノで行われていた弓術、石を持ち上げるスポーツも
庶民も始めた蹴鞠、石を投げあう子どもたち
それでは江戸時代の庶民はどのようなスポーツを行っていたのでしょうか?
現在では野球やサッカーなど球技が盛んですが、江戸時代は蹴鞠や打毬(だきゅう)などの一部を除いて球技はそこまで盛んではありませんでした。
蹴鞠は貴族が行っているスポーツという印象がありますが、江戸時代には庶民層も行うようになりました。
打毬は馬の上でスティックを持ってボールをゴールに投げ入れるというスポーツであり、現在のポロにかなり近いです。
当然庶民の多くは馬を持っていなかったということもあり、打毬は武士の間で行われていました。
庶民は打毬を真似てスティックでボールを打ち合う毬杖(ぎっちょう)というスポーツを行っていたものの、それは子どもの遊びとして捉えられており、大人がすることはあまりありませんでした。
また子どもたちの間では石を投げあう石合戦というスポーツが行われていました。石合戦は二陣営に分かれて川を挟んで石を投げあうというものであり、ルールは非常にシンプルです。