様々なジャンルがクロスオーバーし、多種多様な音楽ジャンルが生まれた現代。中でも「ジャズ」は、相性の良いジャンルを多く持つ音楽である。

では「ジャズ」と聞いて、どのような音楽性を連想するだろうか…?

■現代日本で「ジャズの魅力」鳴らす名作

2023年2月、同名の漫画を原作とする映画『BLUE GIANT』が公開された。

ジャズに真っ直ぐ、全力で挑む少年(青年)・宮本大の成長を描いた同作にはジャズの魅力がふんだんに詰め込まれており、漫画連載時から「まるで本当に音が聴こえるようだ」という称賛の声が多数上がっていた。

そんな同作が、ついに「音の出る」映画となり、多くのファンが歓喜。

演奏シーンも「ただ単に楽器を演奏する」だけでなく、ステージに上がるまでのプレイヤーの心情やバックグラウンド、音楽に対する真摯な思いが丁寧に描かれる描写が多い。特に沢辺雪祈(ピアノ)、玉田俊二(ドラム)のソロシーンで、涙腺が決壊した観客は記者だけではないだろう。

原作とは異なるオリジナル展開も、原作ファンとして非常に心を打たれるものであった。