大ヒット作「ウマ娘」でも知られるように、個性豊かな馬たちは私たちを楽しませてくれます。
例えば、中央競馬史上7頭目の三冠馬であるオルフェーヴル。
デビュー戦では快勝するも、レース前の馬が鞍を付ける装鞍所(そうあんじょ)では暴れて植え込みに突進、直線では大きく斜行、ゴール後には騎手を振り落とすという暴君ぶりでした。
また、ゴールドシップは厩舎スタッフに噛み付く、ゲート入りを盛大にゴネるなど数々の奇行で有名です。
中でも1番人気で出走した2015年宝塚記念(GⅠ)では、すんなりゲートに入ったかと思いきや、暴れて立ち上がり、出遅れ大敗。
スタート直後に多くの競馬ファンを絶望させました。
彼らのようなスターホースたちの活躍もあり盛り上がりをみせている競馬ですが、近年、アニマルウェルフェア(動物福祉)の意識の高まりから、国際的に引退競走馬のセカンドキャリアにも注目が集まっています。
しかし、セカンドキャリアに向けた訓練には課題が多く、それに関する研究も行われています。
日本大学と競走馬理化学研究所の研究チームは、馬の性格に関連する可能性のある候補遺伝子を18個特定しました。
研究の詳細は2023年2月20日付で『Animals』に掲載されました。
目次
- 競走馬の再就職は簡単ではない
- 再就職のために必要な訓練
競走馬の再就職は簡単ではない
国内外で競走馬が引退した後のセカンドキャリアに注目が集まっています。
日本ダービー(GⅠ)を制したウオッカなど数々の名馬を輩出した、角居勝彦元調教師が引退競走馬の支援施設を開設したことでも話題になりました。
また、イギリスではなんと競走馬の国勢調査を行い、引退後の競走馬が行方不明にならないよう、どのような生活を送っているのか追跡するためのトーレーサビリティを高める活動に取り組んでいます。
競走馬は、平均寿命25〜30歳といわれ、概ね5歳前後で引退しますが、長い馬では引退後30年近く生きるため、「第二の馬生」はとても重要です。