明智光秀は本能寺の変で織田信長を打って天下を取りましたが、その治世は「三日天下」で終わりました。
三日天下とは「きわめて短い期間しか権力を保てないこと」の例えで、実際には天下取りから13日後に豊臣秀吉に倒されたといわれています。
それでも十分に短いですが、実は光秀より圧倒的に短い在位記録を持つ国王がいました。
その名前はブラガンサ公のルイス・フィリペ。
なんと彼が国王だったのはわずか20分間だったというのです。
一体どうしてこんな短さになったのでしょうか?
目次
- 史上最も在位期間が短かった王様とは?
- 国王になったのは生後4カ月!史上最長の在位記録を持つ王様
史上最も在位期間が短かった王様とは?
ルイス・フィリペは1887年3月21日に、ブラガンサ王朝のポルトガル国王だった父カルロス1世(1863〜1908)の長男としてリスボンに生まれました。
ブラガンサ王朝とは、1640年から1910年までポルトガル王国を統治したポルトガル最後の王朝です。
ただ父カルロス1世がポルトガル国王に即位したのは、ルイス・フィリペが2才のときでした。
このときにルイス・フィリペは正式に皇太子となり、王位継承権の第一位の称号も手にしています。
つまり父カルロス1世に何かあった場合、次の国王になる権利はただちに彼に相続されるということです。
ルイス・フィリペは王族として順調に成長しましたが、父カルロス1世の治世は実に不安定なものでした。
というのもカルロス1世は財政運営がいい加減であったり、国内の共和派に対して弾圧的であったり、私生活で不倫のスキャンダルがあったりと、国民にとにかく不人気だったのです。
また1892年6月14日および1902年5月10日の2度にわたって財政破綻を宣言しており、これが産業への混乱を招いて、国民による強い王制批判を呼びました。