またカステル氏らによると、「仮に変形性関節症の治療を行うとしても、治療の選択肢は限られており、その大部分では重大な副作用が伴う」ようです。
そこでカステル氏らは、アロマセラピーなど、ネコの痛みを和らげる代替手段を模索してきました。
ただし、これを確立する上で必要不可欠なのが、ネコが感じる痛みの評価です。
実際にどれほど痛みが和らいでいるか知ることができなければ、適切な緩和処置を生み出すことはできないのです。
では、どのようにしてネコが感じる痛みのレベルを知ることができるのでしょうか。
カステル氏らは、この痛みの評価に役立つのが、脳波検査だと考えています。
これは頭皮に電極を当てて脳の電気活動を記録する検査のことであり、ネコの頭を傷つけたり、身体に影響を与えたりしません。
ただし、ネコたちは脳波検査を受ける人間のようにおとなしくしていられません。
猫たちは頻繁に頭を振ったり動いたりするため、電極がズレたり落ちたりするのです。
そこでカステル氏らは今回、可愛らしいネコ用脳波測定装置を開発することにしました。
可愛すぎるネコ用脳波測定装置
研究チームが着目したのは、ネコ用のニット帽です。
これはネコ用のアイテムとして、ネコ愛好家たちの間で人気なものです。
YouTubeなどでは自分で編む方法も公開されており、飼い猫に手作りのニット帽をプレゼントする人たちもいます。
カステル氏らは、研究用にこのネコ用ニット帽を作成し、ここに合計10個の表面電極(非侵襲)を装着しました。