REDIは、「平均ピッチ」「ピッチ変動性」「スペクトル重心」「スペクトルロールオフ」という4つの音声特性を分析する。

調査によると、これらの要素はうつ病が悪化するにつれて変化するという。例えばピッチが低くなったり、変動が大きくなったり、声の周波数帯域が変化したりといった兆候が見られる。

REDIのAIはこれらの要素を用いて、ユーザーを「non-depressed(ND):うつではない」「mild depression(mDE):軽症うつ病」「major depressive episode(MDE):大うつ病エピソード」の3つの段階に分類する。

なお、LLMではなくSLMを採用しているREDIでは、すべての音声データがユーザーのデバイス上で直接処理される仕組みだ。プライバシーが確保されるため、ユーザーは安心してアプリを使用できる。

メンタルヘルスのアクセシビリティ問題の解決へ

Image Credits:Doctorpresso

韓国ソウルを拠点とするDoctorpressoは、2022年に設立されたメンタルテック企業。

同社のCEOであるWhanbo Jung氏は、 KOSDAQ上場のAIヘルスケア企業であるVUNOの創設メンバーおよび最高医療責任者を務めた経験を持つ。また、カンパニービルダープログラムを通じてサムスンメディカルセンターと共同で認知症関連のスタートアッププロジェクトを主導した人物でもある。

そのほか、精神科医やデザイナー兼UI/UXの専門家など、Doctorpressoはメンタルヘルスとデジタルヘルスケアの専門家によって構成されている。

Doctorpressoの公式サイトには、「(韓国)社会がメンタルヘルスに関心を持ち始めたのは、ここ10年ほどのこと」とある。同社によると、うつ病を経験した人のうちメンタルヘルスサービスを利用している人はわずか7%で、精神科診療所のない地方自治体(市・郡)は韓国全体で66あるとのこと(参考)。